【名古屋で働く魅力】ゲームプランナーのお仕事
名古屋で働く人々に、その仕事の魅力を聞くシリーズ。
今回はゲーム業界の仕事です。なかでも、名古屋のゲーム開発会社「ロコビット」でゲームプランナーとして働く方に話を聞きました。

犬嶋遥さん
犬嶋遥さん(30歳、5年目)
ロコビット
所属:開発部プランニングチーム
名古屋で働く魅力は?
都会の便利さと、自然の心地よさ、どちらも感じて暮らせるのが名古屋のいいところだと思います。
ゲームづくりは集中力が必要な仕事ですが、休みの日には気軽に出かけてリフレッシュできます。
“クリエイティブとリラックス”がバランスよく共存できる。そこが名古屋で働く魅力じゃないでしょうか。
仕事内容は?

当社は、名古屋を拠点にするゲーム開発会社で、2016年に創業しました。約30人の社員が働いており、家庭用ゲーム機向けのソフトやスマートフォンアプリなど、さまざまなゲームを開発しています。その中で私はゲームプランナーとして、ゲームの企画から完成まで、全体を通して開発に広く関わっています。
主な業務は、ゲームのコンセプトや世界観を考え、それを形にしていくこと。まず「どんなゲームがおもしろいか」「どんな体験をしてもらいたいか」を考え、それを実現するための仕様書を作成します。そして、グラフィックデザイナーやプログラマーなど各分野のプロフェッショナルと連携しながら、ゲームを作り上げていくのが私の役割です。
当社は、クライアントからの依頼を受けて開発する「受託開発」がメインですが、単に依頼通りに作るのではなく、企画段階から参画できるのが特長。クライアントと一緒にゲームのアイデアを練り、「こういう遊び方はどうか」「この世界観なら、こんなシステムが合うのでは」といった提案も積極的に行っています。また、「自社オリジナルタイトルの開発」にも挑戦しており、ゼロから自分たちの思い描くゲームを形にできる機会もあります。
ある日の主な業務内容
10時 出社
メールチェック、その日の予定確認、事務作業など
11時 社外打ち合わせ
受託開発プロジェクトについて、クライアントと進捗確認や企画の方向性について相談
12時 昼休憩
13時 社内打ち合わせ
チーム内での方針検討、グラフィックデザイナーへのアートワークの依頼、プログラマーとのシステムの仕様確認など
16時 資料作成
仕様書の作成、クライアント向けプレゼン資料の準備、開発スケジュールの調整など
19時 退勤
打ち合わせが立て込む日もあれば、1日中資料作成に集中する日もあります。週に2日程度はテレワークも活用しており、柔軟な働き方が出来る環境です。
この仕事の楽しいところは?

自分が考えたゲームのアイデアを実際に形に出来ることが、この仕事の最大の魅力です。「こんなゲームがあったらおもしろいんじゃないか」という思いを、グラフィックデザイナーやプログラマーと一緒に作り上げていく過程は、何度経験してもワクワクします。
とくに印象深いのは、Nintendo Switch™向けに開発した「ぶっとバード」というゲームです。「スピード感あふれる空中対戦アクション!」というコンセプトから始まり、トリが「ジェットパック」という武器を背負って戦う、オリジナルの世界観を作り上げました。
最初は社内でも「アクションゲームじゃなくてもいいのでは」「育成ゲームの方が向いているのでは」といった意見もありました。しかし、自分がおもしろいと信じるものを貫いた結果、ゲームイベントで注目を集めることができ、小学館さんとの出会いとご縁もあって、コロコロコミック編集部との共同プロジェクトに発展しました。そして念願の発売を迎え、多くの方々に遊んでいただくことができました。
発売後はSNSを通じ、たくさんのプレイヤーから感想が届きました。「おもしろい!」という声はもちろん、厳しい意見も含めて、自分が携わったゲームに対する反応をダイレクトに感じられるのは、この仕事ならではの醍醐味です。「月刊コロコロコミック」(小学館)での漫画化や、クレーンゲームのぬいぐるみ化など、自分たちが生みだしたキャラクターが新しい形で広がっていく様子を見るのも、とてもうれしい経験でした。
この仕事の大変なところは?
自分が「おもしろい」と思うものが、必ずしも相手に伝わるとは限らないところです。ゲーム開発は多くのプロフェッショナルとの共同作業。グラフィックデザイナー、プログラマー、サウンドクリエイターなど、それぞれが専門分野を持つプロフェッショナルに、自分のイメージを正確に伝えるのは想像以上に難しいんです。
たとえば、サウンド面では「ここでこういう転調をしてほしい」「トランス系の曲調で」といった、具体的な指示が必要になります。デザインなら「厚塗り風の質感で」「このディテールはこう表現して」など、イメージを的確に伝えなくてはなりません。そのため、音楽制作ツールを触ってみたり、自分で絵を描いてみたりと、幅広い知識を身につけるため、努力を続けています。
また、ゲーム業界は技術の進歩が速く、AIの活用や制作ツールのバージョンアップなど、常に知識をアップデートしていく必要があります。プレイヤーの好みも時代とともに変化するため、流行を追いながらも、自分の信念を持ち続けるバランスが求められます。
社内で意見のぶつかり合いが起こることも日常茶飯事。みんなゲームが大好きで、それぞれに「理想のゲーム像」を持っているからこそ、議論が白熱することもしばしば。でも、そうした議論を重ねることで、より良いゲームが生まれると信じています。
この仕事を選んだ理由は?

転機となったのは、専門学校への進学です。名古屋のゲーム専門学校に入学し、プログラミングを本格的に学び始めました。当初は「プログラミングが出来ればゲーム業界だけでなく、システムエンジニアとしても働けるかもしれない」という現実的な考えもありました。
しかし、専門学校で実際にゲームを作り始めると、一気に世界が変わりました。同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨し、自分で考えたゲームをアプリストアに公開して、ダウンロードしてもらえた時の喜びは今でも忘れられません。在学中に企画からプログラム、デザイン、音楽まで、ゲーム作りの全工程を経験できたことが、今の仕事の基礎になっています。
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